ひと昔前の日本では、うつ病などのメンタルヘルスに不安があっても、どこにも相談できず一人で抱え込んで重症化してしまうケースが少なくありませんでした。最近では、心療内科もたくさんあり、自治体やNPO団体などの相談窓口も手軽に利用することが可能です。昔と違って、相談する先はたくさんあります。つらいと感じたらまずは気軽に相談してみることです。話を聞いてもらうだけでも頭が整理され、スッキリするともいわれています。
通常の怪我や病気とは違い、なかなか本人自身では気づきにくい面があります。しかし、症状が悪化したときには、仕事を続けることが難しくなっていたり、最悪の場合は自殺などの衝動的な行動を起こすケースもあります。そのため、少しでも悩み事や心配事があるときは、早めに地域や職場にある精神面でのサポートを行ってくれる機関を利用することが大事です。
悩みを打ち明けられる家族や友人がいない場合は、無料で利用できる「いのちの電話」があります。この電話に対応してくれる人は、研修を受けたボランティアの方が話を聞いてくれます。それ以外では、「こころの健康センター」と呼ばれている全国精神保健福祉センターでも引きこもりやアルコール依存症、精神疾患の医療、認知症高齢者などの精神保健福祉関連の問題についてアドバイスや情報を与えてくれます。全国精神保健福祉センターは都道府県と政令指定都市に1か所ずつ設置されています。医療機関では、心の悩みが原因の体調不良に対しては、精神科や心療内科が担当になります。最近の心療内科や精神科では、カウンセリング中は、ほかの患者さんやスタッフに内容が漏れないような配慮がされています。