年齢が高くなればなるほどかかる診療科の数は増えていく傾向にあります。しかも、記憶力という観点から考えても患者自身が何の薬を飲んでいるのかの説明は難しくなってきます。そこでますます必要なのがかかりつけ調剤薬局の存在とお薬手帳です。どの医療機関で出されたものであっても薬の管理が一元化できれば、危険な飲み合わせや同じ成分の薬の重複を防げます。
例えば、内科と整形外科という全くことなる診療科で異なる疾患であっても、薬の重複はあり得ます。一番わかりやすいのが胃腸薬です。整形外科でも抗生物質など強い薬と一緒に胃薬が飲み合わせとして出されることはよくあります。もし、胃腸の疾患で内科にかかっていれば、整形外科の胃薬は必要ないかもしれません。素人ではわからないこれらのことを薬剤師が確認できる利点があります。内容によっては、薬剤師がその患者がかかっている医療機関へ疑義紹介という形で問い合わせをし、確認もします。
また、お薬手帳に薬剤師がしっかりと記載することで、患者が医療機関にかかった際、自分で自分がどんな薬を飲んでいるのか説明しなくても、その手帳を医師に見せることで内容が伝わります。また、かかりつけ以外のところで薬を処方してもらう際も、おくすり手帳を見せることで薬の重複を防ぐことができます。患者自身が自分を守るためにお薬手帳の存在は大切なのです。