人の歯は、生まれてから死ぬまで同じではありません。成長の過程で生え変わります。このうち、長く使用する歯は「永久歯」といいます。一方、途中で抜けて、以降は使わなくなる歯は「乳歯」といいます。
生え変わるタイミングと仕組み
乳歯が永久歯に生え変わるタイミングは、一般的には小学生頃と言われています。6歳頃から乳歯が抜けはじめ、徐々に永久歯が生えてきます。中学生にもなると、すべての歯が永久歯に生え変わっているケースがほとんどです。乳歯が抜けてから永久歯が生えるまでには3ヶ月程度かかります。乳歯が生え変わる順番も決まっており、下の歯から上の歯、前歯から奥歯の順番で生え変わります。では、なぜ乳歯が生え変わるのでしょうか?
子どもから大人になるまでには、頭や体など、いたる部分が成長します。あごの骨も例外ではありません。幼い頃のあごのサイズに、乳歯20本はぴったりの本数ですが、あごの骨が成長するにつれて隙間ができてしまいます。そのため、サイズが小さすぎる乳歯が抜けて、大人のあごのサイズにぴったりの永久歯に生え変わる仕組みになっているのです。
乳歯は将来にまで影響する?
基本的に乳歯の役割は永久歯と同じです。食べ物を咀嚼するためにあります。きちんと咀嚼をすることで栄養を効率よく吸収できるため、重要な役割を担っていると言えます。また、子どもに関しては、歯が揃っていてきちんと咀嚼できることであごの発達がサポートされるという将来に
大きく関わる効果もあります。乳歯の役割の1つに、永久歯が正しい位置に生えるための誘導があります。通常、永久歯は乳歯のある場所に生えます。永久歯が正しく乳歯のある位置に生え変わるためには、あごの発達が重要です。あごがしっかりと発達して、隣り合う乳歯との間に必要な隙間ができていなければ、永久歯は正しい位置に並びません。子どもの乳歯は歯並びや顔の形を決める大切な要素でもあります。
乳歯にも虫歯のリスクあり
重要な役割を持つ乳歯ですが、きちんと手入れがされていなければ虫歯になる点は永久歯と同じです。大人と同じように、しっかりとブラッシングをして虫歯のリスクを低減しましょう。万が一虫歯になった時も、「いずれ生え変わるから」と放置してはいけません。虫歯が進行して生え変わるより先に抜歯をしなければならなくなった場合、永久歯が正しい位置に生えてきません。歯並びや顔の形にも悪影響を与えます。大人の永久歯と同じように子どもの乳歯も大切にして、虫歯になった時もきちんと治療を受けさせてあげましょう。
小児歯科に対応している歯医者ならば、永久歯に生え変わる前の子どもでも定期的な検診を受けられます。検診では、自宅でもしっかりと歯に付着した汚れを落とすためのブラッシング指導の他、虫歯のリスクを下げるシーラント、フッ素の塗布などの処置がされます。虫歯の治療ではなく予防にも効果的です。中でも松本市にある平沼歯科医院は、子どもの口の状態にあわせた処置を考え、提案してくれます。同じ年齢の子どもでも口内の環境や成長度合いはそれぞれ異なります。最適な処置をしてもらうことで、乳歯をしっかりと守ることができます。