細胞輸送技術の向上によって施設間の協力が容易に

再生医療においてiPS細胞が注目を浴びるようになったこともあり、細胞を用いた医療や試験研究が広く注目されるようになりました。それ自体は古くから行われてきたものの、社会的注目を浴びたことによってその研究が行いやすくなるようなサービスが行われるようになってきています。

その代表的なものが輸送であり、以前は施設間で細胞をやり取りするというのは困難なことがありました。生きたままのものをフラスコに入れて渡したいというときに温度変化や環境変化によって死んでしまったり形態変化を起こしてしまったりすることがあったからです。凍結して送ることによってなんとか引き渡すことができる場合もありますが、凍結によるダメージも考慮しなければならないこともあり、理想的には生きたまま送り届けたいと考えられてきました。

それを実現する輸送の専門業者がサービスを行うようになったことにより、生きた細胞を培養に使っているフラスコやシャーレに入れたまま送り届けるということが可能になりました。培養条件に近い状態を保持できる容器の開発と迅速な運送によってそれが実現されています。細胞輸送が容易になったことによって施設間での協力が容易になり、医療や研究の進展に大きな寄与があるでしょう。