働き方改革がクローズアップされている現在でも、未だに過労死の問題はなくなりません。それは24時間体制で患者さんのサポートにあたっている看護師にも当てはまる話。日本看護協会が数年前に行った実態調査によると、過労死レベルに相当する勤務状態の看護師が全国に2万人ほどいるそうです。
本来、病院などの雇用側にとって労働者側である看護師の休職や退職は避けるべきこと。それなのに過労死が起きてしまう裏側には、雇用側が勤務実態を把握していないという理由があります。直属の上長から命じられた仕事だったとしても、その仕事量が限度を超えている場合はさらに上層部に相談するべきでしょう。過労死予備軍の人には「真面目で責任感が強い」「まわりに弱音を吐けない」「相談できない」といった共通点があります。相談の重要性をしっかりと再確認し、気になることがあれば怖がらずに何でも投げかけることをおすすめします。
「いったん辞めてしまうと再就職が難しそう」「ブランクがある状態からの再就職が不安」などの理由から、今の職場を離れられないという人もいます。ですが、看護師はどこも人手不足。他の仕事に比べれば再就職もはるかにしやすいため、ためらわずに環境を変えるべきなのです。
過労死予備軍になるのは、経験をある程度積んで仕事量の増えてきたベテラン看護師だけではありません。新人看護師や就職して数年の若手看護師にも十分にありえる話です。特に新人の場合、看護技術を身につけないまま退職するのを不安に思い心身が悲鳴を上げていても仕事を続けてしまうことがあります。しかし、夜勤のない職場、休日が多めにとれる職場、新人教育をしっかり続けてくれる職場、やりたい分野にチャレンジできる職場など、条件のいい職場は調べていけば見つかるはずです。看護師に特化した転職サイト「スーパーナース」ではたくさんの求人の中から理想的な求人を探せます。ブランクや技術の未熟さを理由に、過酷な環境にずっと身を置くのだけはやめましょう。
看護師は心身ともにハードな仕事。ですが、そんな中でも楽しさややりがいがあります。過労死という結末を迎えてしまう前に1回立ち止まり、自分の働き方を見つめ直す時間を持つのが大事です。